電力17%の値上げで企業はどんな省エネを志向するのだろう?
省エネ効果を金額で算出する時は、水道(下水道)、ガス、電力、地域冷暖房等の契約書に規定された基準単価を用います。
それぞれの金額は、基本料金+従量料金で構成されていますが、水道(下水道)、ガスの基本料金は1契約単位であるのに対し、地域冷暖房、電力は基本料金が単価×デマンド(円/MJ、円/kW)となっています。
電力の場合、デマンドは30分間の平均電力最大値(kW)地域冷暖房は冷房期、暖房期の最大熱量(MJ)が適用されています。
某ビルで、電力量、熱量をかなり削減できる提案を計画しましたが、効果金額はCO2削減量(電力、熱量の削減量)に比べて貧弱なことに落胆しました。電力も、地域冷暖房も単価構成が基本料金に重く、従量料金は軽くなっているのだなと改めて思いました。
東京電力は、2012年4月より企業向け電力料金を17%値上げすることを発表しました。企業が電力料金、冷暖房料金を低減するためには、使用量と同時にデマンドに目を向ける必要があると強く感じました。
某ビルで、現在でも使用している38年前製造の某社製ターボ冷凍機200RTが2基設置されていました。冷水出口温度、冷却水送水温度の設定変更で少し省エネができるかもしれないと思いつつ、電動機195kWを記録し、1RT当たり1kWだなと何気なく納得していました。
最新のターボ冷凍機の資料を入手し、電動機を確認したところ200RTで110kWとなっていました。エアコンの成績係数が5年単位で改善されている程度の知識は持っていましたが、大型機器の改良がこのように進んでいる実態は理解していなかったので驚きました。
古くなった大型機器は、適切な保守によりかなり長く使用できますが、更新すれば省エネ効果が大きいので、今年は企業の設備機器更新が促進されるかもしれません。
(記 O・H)